金銭には時間的価値があります。将来、受ける金銭を現在価値に割り引く時 の割合を、1年あたりの割合で示したものをいいます。将来、受け取る事の 出来る金銭は不確実」です。リスク」が高いほど、割引率は高くなります。 割引率は不動産投資に必要とされる収益率であり不動産投資の為の資金を融 資する、金融機関、投資家が要求する投資利回りです。貨幣価値の変動、イ ンフレ率等の将来にわたるリスクを考慮しますと、借入金利に2%〜3%加 算された割引率が求められます。
総事業費に対して自己資金と借入金を調達して行う予定の事業計画がありま す。借入金は元利均等返済とし返済年数はn年とします。借入金利」、期待 利回り、それぞれに対応する投資額に対する求められる事業収益は割引率を いくらとして検討する事になりますか。 借入金・比率 借入金・金利 (r1) 自己資金・期待利回り(r2) 借入金・返済年数(n) 借入金比率が100%の場合、資金調達は全て借入金にて行い、逆の0の場 合は全て自己資金にて事業を行うものとします。借入金返済年数が(0)も しくは未入力の場合、借入金は金利のみの負担とします。割引率は資金調達 のコストを意味し、事業収益の良否を判断する基準となります。事業資金を 100%借入金で調達する場合は、借入金金利が割引率となり、事業資金を 借入金と自己資金とで調達する場合は、借入金と自己資金の期待利回りの加 重平均で割引率を算出します。借入金が元利均等返済の形をとる場合では 検討年度までに返済した元金の部分は蓄積した資産とみる事が出来ますので キャッシュフローに考慮した割引率を計算します。 (1)借入金比率×借入年数n年の年賦償還率 (2)自己資金比率×自己資金期待利回り (3)自己資金比率×借入年数n年の償還基金率(元金返済分) 償還基金率は自己資金期待利回りによる。 割引率=(1)+(2)−(3) 事業資金を全て借入金で行い将来にわたるリスクがなければ、割引率は借入 金利となります。自己資金に対する期待利回りは、当然、国債などの安全と される金利以上のものを採用します。
〇純収益と不動産価値との比率です。一定期間の純収益から対象不動産の価 値を直接求める際に使用される利回り(キャップレート)で、算出する方 法として以下があります。 (不動産鑑定評価基準) a 類似の不動産との取引事例との比較から求める方法 b 借入金と自己資金に係る還元利回りから求める方法 c 土地と建物に係る還元利回りから求める方法 d 割引率との関係から求める方法 e 借入金償還余裕率の活用による方法 などがあります。 還元利回りで還元する純収益は不動産鑑定評価基準では、償却前の純収益を 還元する事が原則とされています。還元利回りは割引率と同様、収益性が高 いほど、低くなります。 還元利回り A 〇借入金と自己資金に係る還元利回りから求める方法 還元利回り = 借入金還元利回り × 借入金比率 +自己資金還元利回り × 自己資金比率 借入金還元利回り = 借入金金利、検討年から求める年賦償還率 還元利回り 〇割引率との関係から求める方法 還元利回り=割引率ー将来の不動産の価値の増減×償還基金率 将来の増減を投資期間中の各年に配賦する為に償還基金率を使用します。
○ 検討事例
総事業費に対して自己資金と借入金を調達して行う予定の事業計画がありま す。借入金は元利均等返済とし返済年数はn年とします。借入金利」、期待 利回り、それぞれに対応する投資額に対する求められる事業収益は割引率を いくらとして検討する事になりますか。 借入金・比率 借入金・金利 (r1) 自己資金・期待利回り(r2) 借入金・返済年数(n) 借入金比率が100%の場合、資金調達は全て借入金にて行い、逆の0の場 合は全て自己資金にて事業を行うものとします。借入金返済年数が(0)も しくは未入力の場合、借入金は金利のみの負担とします。割引率は資金調達 のコストを意味し、事業収益の良否を判断する基準となります。事業資金を 100%借入金で調達する場合は、借入金金利が割引率となり、事業資金を 借入金と自己資金とで調達する場合は、借入金と自己資金の期待利回りの加 重平均で割引率を算出します。借入金が元利均等返済の形をとる場合では 検討年度までに返済した元金の部分は蓄積した資産とみる事が出来ますので キャッシュフローに考慮した割引率を計算します。 (1)借入金比率×借入年数n年の年賦償還率 (2)自己資金比率×自己資金期待利回り (3)自己資金比率×借入年数n年の償還基金率(元金返済分) 償還基金率は自己資金期待利回りによる。 割引率=(1)+(2)−(3) 事業資金を全て借入金で行い将来にわたるリスクがなければ、割引率は借入 金利となります。自己資金に対する期待利回りは、当然、国債などの安全と される金利以上のものを採用します。
投資によって得る事が出来る毎年の収益の現在価値の合計と、投資に必要な 金額とが等しくなる割引率を求め、この割引率が資本コスト(資金を借入金 にて調達する場合は借入利率)より大であればその投資は有利であり、資本 コストより小であればその事業の採算性は劣ると判断します。その割引率を 内部利益率又は投資収益率といい、内部利益率の大なる事業ほど採算性は高 くなります。
正味現在価値 = 将来キャッシュフローの現在価値ー 投資金額 ある事業に対する投資を事前に判断する際に利用する指標です。投資によっ て得る事が出来る毎年の収益の現在価値の合計から投資金額を差し引いて求 めます。正味現在価値(NPV)がプラスに転じる年度を投資の判断基準に使用 します。 ○検討例 土地、建物を取得して収益不動産事業を行う予定の計画があります。初期投 資額、そこから得る事が出来る収益、事業の成否を検討したい年数、事業終 了時の資産売却想定額、又、この検討の基準となる利率等を入力して、検討 年度の正味現在価値を計算します。検討結果、正味現在価値がマイナスとな る場合は、(1)不動産純収益を増加させる。(2)基準・年利率を下げる。 (3)検討年を検討結果の投資資金改修年度に変更する。等、再検討して下 さい。